Strength=強さ

1年半くらい前でしょうか?私の土曜朝のキックボクシングのレッスンに、毎週必ず来てくださるメンバーさんのジュディさんから、あることを告白されました。

「私は来週から、抗がん剤投与の治療に入るので、今までみたいにミットにパンチをしたり出来なくなってしまうかもしれないので、事前にお知らせしておくわね。あ、それと、髪とかも抜けてしまうけど、ビックリしないでね。」(注:アメリカのガン治療はほとんど、通院でがん治療を行います。)

「・・・・」
すぐに返す言葉も見つかりませんでした。
「Oh, I am so sorry to hear that・・・(それはとてもお気の毒です。)」あまりのショックに、それが私が返せた精一杯の言葉でした。

「大丈夫よ。これは再発なの。乳癌でね、2つ目の胸も取ることになっちゃったわ。あ、でも、あなたのクラスには今までどおり、毎週来るわよ!とっても楽しみにしてるクラスだもの、やめるわけにはいかないわ。お医者様からも許可はとってあるのよ!」
明るくそう言われたジュディさんでしたが、どれだけお辛かったことでしょう。胸がとても痛みました。

それから、ジュディさんの抗がん剤投与の治療は始まりました。毎週、「今日もジュディさんは来てるかな?」、とジュディさんを必ず探し、見つけてはほっとしました。髪が抜け落ちたのか、帽子をかぶってこられるようになりました。それでも、お薬の副作用でちょっとふっくらされたせいか、見た目にはお元気そうでした。パンチのパワー、カーディオは今までより確実に落ちていましたが、それでも、いつもとても楽しそうにレッスンに来てくださるジュディさん。いつしか私の方がジュディさんに励まされるような気持ちになっていきました。

「あと、もう1回の抗がん治療で全て完了するのよ。そしたら、またミットを打たせてね。」
そんな嬉しい報告を聞くことが出来たのは去年の夏ごろ。治療開始からすでに半年以上は経過していました。

秋。治療終了。ジュディさんの可愛らしいブロンドの髪もまた元に戻ってきました。
「髪が抜け落ちたおかげで、今度は、ウェービーなヘアになったのよ。ラッキーだわ!」なんてお茶目なことを言ってましたっけ。お顔の色もだいぶよくなられました。

そして、今日、とっても嬉しいご報告がありました。ジュディさん、去年の年末に、コスタリカで行われた「クロスカントリーレース」にご出場されたそうです。最年長だったそうですが、レースを元気に完走!
「あなたにお礼を言いたいの。レースを途中で棄権せずに完走出来たのは、あなたのレッスンを、抗がん剤の治療中もやめずに頑張って続けたから。今だから言うけど、治療中はほんとはツラかったのよ~。でもね、あなたのレッスンはツライ治療に耐える強さを与えてくれたの。私にStrength(強さ)を与えてくれて本当にありがとう。乳癌を発病される女性は年々増えてるの。だから私は、告知をされた患者さんたちが強くいられるように、こうやってこれからも運動やチャレンジを続けて、それをみんなに伝えていくつもりなの。」

こんな嬉しい言葉をいただけるなんて・・・・。胸が熱くなりました。インストラクターをやってて本当によかった、と思えた瞬間でした。私のやっていること(クラス)がこうやって誰かの心の支えになったのです。そして、ジュディさんの頑張り、こんな嬉しいお言葉は、確実に・・・私の心の琴線に触れました・・・。

ジュディさん、ありがとう☆
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by kickpop | 2008-01-27 13:39 | お仕事